健康のために


1. 赤ちゃんの体温と汗のひみつ

赤ちゃんは汗をかいて体温の調整をしています。うまく汗が蒸発しないと、熱中症を発症する場合もあり、赤ちゃんにとって、汗が蒸発するかどうかは生死にかかわる問題です。

汗のこと

汗。お母さんには化粧崩れの原因になる困り者ですが、実はとても重要な働きをしています。汗の本当の仕事は、体から蒸発して体温を調節することです。最も効果的なのは我々が目に見える前に蒸発すること。体から流れ落ちてしまっては効果がありません。いかに本人の知らないところで汗を蒸発させるのか。これは大人にとっても重要ですが、赤ちゃんにとっては命にかかわるといってもいいほど、重要な問題なのです。

ですから、汗の蒸発と水分補給。つまり、蒸れないこととミルクが大切なのです。

赤ちゃんのこと

皆さんも知っての通り、赤ちゃんは自分で体温の調整がうまくできません。 また、暑いからと言って、涼しいところに移動したり、寒いからといって、着込むことができません。赤ちゃんはその感覚さえも、泣くことでしか表現できません。だからお母さんが赤ちゃんの体温を調節してあげる必要があります。

2. 大切な寝具の選び方

生まれたばかりの赤ちゃんは、授乳以外の時間をほとんど寝てすごしますから、寝具はとても大切です。あかちゃんにやさしい寝具を考えてみましょう。赤ちゃんの寝具には、ベビーベッド(セット)、敷きふとん、掛けふとん、毛布、枕などがあります。また素材別にみると、羊毛、綿、羽毛、シルク、ポリエステル、アクリル などがあります。

★ ポイント

寝具選びの最重要ポイントは、赤ちゃんの体調維持(恒温性=ホメオスタシス)がしやすいかどうかです。すなわち、 赤ちゃんがかいた汗がすぐに蒸発できるかどうかが大切です。これには、 透過性、吸湿性、放湿性が重要です。また、保温性も重要な要素です。 これ以外にも 清潔、デザインなど、様々な観点がありますが、まずは素材選びです。
快適なら赤ちゃんはすやすや寝ていますので、赤ちゃんの良く寝る寝具は、快適な寝具とも表現できます。

★ どんな素材が良いの?これは間違いなく天然素材が最高です。

羊毛は表面はぬれずに、内側で湿気を吸収します。その量は合成繊維の40倍とずば抜けて高いものです。表面は濡れませんから、赤ちゃんの熱を必要以上に奪うこともありません。また、羊毛は4000年以上の歴史を持つ天然素材で、その安全性は歴史が証明しています。
羊毛の暖かさについては、皆さんよくご存知ですね。
比較的低価格で、スーパーマーケットなどでも良く売られている、合成繊維のポリエステル製やアクリル製などは、抗菌防臭清潔など、様々な機を付加する事が出来ますが、もとをただせば石油で、吸湿能力は少なく、体温調整の能力に乏しい赤ちゃんには適しません。
又、各種の付加加工も(天然材を使用していると表示しているものでも)生れたばかりの赤ちゃんに適しているとは言いかねます。

3. 発育について

ベビー寝具の素材は、本当に赤ちゃんの発育に関係するのでしょうか?
イギリスのケンブリッジ大学で、実際に超未熟児34人を使い、羊毛(ムートン)と、他の毛布を使った学術的な比較試験が行われています。どちらが赤ちゃんにやさしいか。ここまで読めば、もうわかりますよね。成長の度合いを比べると、ウールグループは平均21.5 g/day、他のグループは平均18.2 g/dayと成長度合いに顕著な差が認められたと報告されています。

また、通常の保育においても、ウールマットの上では

  1. 乳児はあまり泣かなかったこと
  2. 授乳の後、すぐに眠ったこと
  3. 授乳の前でも、より長い間静かに寝転がっていたことと報告されています。

以上の例からもわかる通り、羊毛は快適なばかりでなく、寝る子を育てる、赤ちゃんには勿論、育ちざかりの子供や大人、身体の調節機能の衰えたお年寄りにも、最適な素材です。

アレルギー

羊毛・ウールは適度に湿度をコントロ−ルし、暖かくとても快適です。それは、人に対してだけでなく、動物や嫌われモノのダニなどに対しても同様かも知れません。とくにダニを嫌うあまり、純毛毛布まで嫌われているという意見を小売店の方から聞きます。一部のコマーシャルで、あたかもダニが人類の敵であるかのように宣伝されていますから、ダニが嫌われるのも無理からぬ話です。しかし、ダニはどこにでもいます。多分、人間の顔のどこかにもいますし、手のひらにいても全く不思議ではありません。種類もいろいろで大部分が無害です。一方、ダニに対してアレルギー反応を持つお子さん増えているのも事実です。ダニを防ぐ(減らす)最善の方法は、お日様の光と掃除・洗濯です。こまめなふとん干しと掃除・洗濯によって、アレルギーの元となるダニと、その死骸や排泄物を取り除くことができます。
一般的に羊毛・ウール製品は洗うと硬くなってしまいますが、最近ではご家庭での洗濯可能な、ウォッシャブルウール製品も出来ています。これらの水洗い可能なウール製品をウール専用洗剤でお洗濯するのも良い方法です。
ダニのアレルギーは花粉症のように蓄積されるものではないようです。ですから、アレルギー症状がでていなければ、特にダニを問題視することはないようです。また、検査すると、アレルギー症状の原因が、ダニではなくゴキブリということもあるようです。幼児期に見られたアレルギー症状が大人になると改善されるケースも多いようです。過度に神経質にならずに、医療機関でアレルギーの原因を特定されることをお勧めします。

肌触り

羊毛・ウールは、チクチクする場合があります。全ての羊毛がそうか、というとそういうわけではなく、例えばカシミアのようなウールでは全くチクチクしません。大切なことは、良いウールを選ぶことです。ただし、残念ながら良いウールは価格も高くなります。デザインや見栄えも大切なのは間違いありませんが、価格だけでなく一度使う赤ちゃんや本人の身になって、寝具をを選んでみませんか?
ウールは、人間の肌にとても近く、人の皮膚と同じたんぱく質でできています。触ってみて、冷たかったり、湿ってたリという感じがなく、まるでお母さんの肌のようです。また、ウールは表面は乾いていても 湿気を内部に含むので、静電気を起しにくい素材です。静電気でパチパチしにくく、汚れにくいのが特徴です。赤ちゃんをそーっと寝かせる時、ふとんに下ろした瞬間にあかちゃんが目をさますことが多いですよね。ウールの寝具なら、ちょっとだけ、そのままスヤスヤ眠る成功率が高いように思うのですが、皆さんはどう思われますか?

ベストウールクラブ

ベストウールクラブはこれからも、身体にやさしい「良いウールふとん」の開発に取組んで行きます。スティーム・ドライ加工で、自然の良さをいかしたウールふとんを宜しくお願い致します。